【毎日5分】ノリが変わる！リズムを「ずらす」シンコペーション超入門トレ
忙しくても大丈夫！「リズムをずらす」面白さを体験する5分ドリル
仕事や家事で忙しい日々を送る中で、ふと音楽を聴いて「このリズム、かっこいいな」「ノリが良いな」と感じることはありませんか。もし、ご自身でもそんなリズムを生み出したり、演奏したりできるようになりたい、でもまとまった練習時間は取れないし、何から始めれば良いか分からない、と感じているのであれば、この「毎日5分リズムトレ」はきっとお役に立てます。
このサイトでは、忙しい方でも無理なく続けられる、短時間集中型のリズム練習ドリルをご紹介しています。今回ご紹介するのは、音楽の「ノリ」や「グルーヴ」を大きく左右する、「リズムをずらす」感覚を養うための超入門ドリルです。専門的には「シンコペーション」と呼ばれることもありますが、難しく考える必要はありません。まずは、この「ずらす」感覚がどんなものなのか、そしてそれを体感するための簡単な練習方法を、毎日5分で試してみましょう。
なぜ「リズムをずらす」練習が重要なのか？
多くの音楽、特にポップスやジャズ、ファンクなどでは、単純な一定のリズムだけでなく、意図的に拍の頭からタイミングを少しずらして音を置くことで、独特の躍動感や面白さが生まれます。これが「シンコペーション」がもたらす効果の一つです。
例えば、メトロノームに合わせて「タン、タン、タン、タン」と均等に叩くのは、拍の頭を捉える練習です。これはリズムの土台として非常に重要です。一方で、シンコペーションは、例えば「タッ、タン、タッ、タン」のように、拍の途中や裏拍で強くアクセントをつけたり、音を始めたりすることで、聴き手に意外性や推進力を与えます。
この「ずらす」感覚が身につくと、音楽を聴くのがもっと楽しくなり、ご自身で演奏する際にも表現の幅が大きく広がります。そして、この感覚は、毎日ほんの少しの練習でも着実に養うことができます。
毎日5分！リズムを「ずらす」体感ドリル
では、さっそく「リズムをずらす」感覚を掴むための5分ドリルに挑戦してみましょう。準備するのは、メトロノームかメトロノームアプリだけです。場所も楽器も選びません。
ステップ1：基本の拍と裏拍を確認する（2分）
まずは土台となる基本のリズムを確認します。 メトロノームをBPM=60〜80程度のゆっくりのテンポに設定します。
- メトロノームのクリックに合わせて、手拍子で「1、2、3、4」と拍の頭を叩きましょう。これは前回までの練習でも行いましたね。体の軸を感じながら、安定して叩けるように意識します。
- 次に、拍の「間」を感じて、裏拍を叩いてみます。メトロノームの「カチッ」という音の「直後」を狙って、手拍子や指パッチンで「ンッ、ンッ、ンッ、ンッ」と叩いてみてください。拍の頭と裏拍が交互に鳴るようなイメージです（「タン・ンッ・タン・ンッ」）。これがスムーズにできるようになれば、裏拍の感覚が掴めています。
ステップ2：少しだけ早く「ずらす」練習（2分）
ここからが「ずらす」感覚を養う練習です。メトロノームのテンポはそのままで構いません。
- メトロノームのクリック音が鳴るほんの一瞬前を狙って、手拍子や「タッ」という短い声で音を出してみましょう。クリック音と「タッ」という音が、ほとんど同時に聞こえるか、クリック音よりもご自身の音がわずかに先行する感覚です。
- これを4回繰り返します。「タッ（メトロノーム）タッ（メトロノーム）タッ（メトロノーム）タッ（メトロノーム）」
- 今度は逆に、メトロノームのクリック音が鳴ったほんの一瞬後を狙って、手拍子や「ンッ」という短い声で音を出してみましょう。クリック音よりもご自身の音がわずかに遅れる感覚です。
- これも4回繰り返します。「（メトロノーム）ンッ（メトロノーム）ンッ（メトロノーム）ンッ（メトロノーム）ンッ」
この練習のポイントは、「正確にずらす」ことよりも、まずは「拍の頭から意図的にタイミングを外す」という感覚を体感することです。最初はぎこちなくても全く問題ありません。拍の少し前、少し後ろ、というように、タイミングを微調整しながら、ご自身にとって「ずれている」と感じるポイントを探ってみてください。この「ずれ」こそが、シンコペーションの面白さの出発点となります。
ステップ3：感覚を意識して音楽を聴く（1分）
最後の1分は、耳を使った練習です。 普段聴いているお気に入りの曲を、ほんの少し意識して聴いてみてください。特にドラムやベース、リズムギターなどに耳を傾け、「あっ、今の音、拍の頭じゃないタイミングで鳴ったな」と感じる瞬間を探してみましょう。それがシンコペーションかもしれません。この意識を持つだけで、音楽の聴こえ方が変わってきます。
継続のヒント：感覚を磨くこと
シンコペーションの感覚は、一度掴めば終わりではありません。毎日少しずつ体感し、耳を傾けることで、より豊かな表現ができるようになります。
- 完璧を目指さない: 5分間、「ずらす」感覚で音を出すことに意識を集中しましょう。完璧なシンコペーションでなくても構いません。
- 耳を鍛える: 普段から様々なジャンルの音楽を聴き、リズムの「ずれ」に注目する習慣をつけましょう。
- 日常に取り入れる: 信号待ちの間に指で軽く「ずらした」リズムを叩いてみるなど、隙間時間にも練習できます。
まとめ
今回は、音楽に「ノリ」や「グルーヴ」をもたらす「リズムをずらす」、シンコペーションの超入門ドリルをご紹介しました。毎日たった5分、メトロノームを使って拍の頭から少しだけタイミングを外す練習は、最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返すうちにきっと新しいリズムの世界が見えてくるはずです。
忙しい日々の中でも、この5分間のリズムトレが、音楽の楽しみを深める一歩となることを願っています。焦らず、ご自身のペースで続けてみてください。